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風土再生学会について

会長 堀信行
東京都立大学名誉教授 地理学

​​ただいま鋭意執筆中。楽しみにお待ちください。

学会設立の趣意
 

1.はじめに(学会設立の趣旨)

  今日の土木や建築の学問は約100年前に体系化され、技術的に「成熟」してきた。時代とともに土木建築の構造物は大きく重くなり、環境負荷も増えてきた。また構造物の周辺環境を精察することなく地盤を固めるため、水・空気の循環が阻害され、動植物は呼吸阻害になり、土砂災害や環境負荷を大きくしている。また、地域社会の伝統文化や歴史的建造物にも悪影響を及ぼしている。これらの課題解決のため、土木、建築、植物生態学、環境科学など分野の垣根を跨ぐ融合型の分析眼を確立することが求められている。

 

2.風土の学術的意義

 ここで風土とは、流域の自然や生態系の全体像である。これを認識するには、①自然科学複合体として、②人文社会科学複合体としての分析手法だけでなく、③人間活動(精神性を含む)が相互に影響を及ぼし合い調整しながら支え合う状態を正しく評価する視点が必要である。なお、場としての流域には、大気、山、農地、海を包含する。また時空スケールには地質年代を、空間のそれは個々の動植物の生命活動から流域全体を、それぞれ通底させる。

 「再生」には、今日の不健全な風土を健全な状態に再生することを目的とする。このための文理融合型の新しい視座を持ち、総合的に分析できる学問体系を確立し、これらを社会に発信する、役割を担うことを意味している。

 

3.学会の必要性

 今日、心ある市民は「大地の再生」等の民間レベルの環境を再生する活動を実施し普及し、成果を上げてきた。ここで、風土再生学会(仮)が必要なのは以下の理由による、

1)今日の土木・建築の環境や生態への負の影響が大きく、一刻も早い対策が求められる。

2)この対策は、「大地の再生」として全国で実施され自然科学の視点で成果(特許、映画「杜人」、図書「大地の再生マニュアル」など)が示されてきた。

3)地域の文化、地域の街並み、重要建造物の配置など社会科学的研究と自然科学的の融合が重要である。重要建造物を伝統行事や地域社会・文化は、風土を持続し継承する上で欠くことが出来ない。

4)上記成果の学術的研究成果が少ないため、大地の再生の技術や視点は行政などを動かす駆動力となり得ていない。

5)市民による環境再生活動の学術的意義はこれまで正しく評価されていなかった。この活動を正当に評価し科学として高める必要がある。

ためである。

 

3.文理融合型の学会

 上記の理由から、流域生態系が本来もつその保全機能に倣い、環境を評価する視点を包含する新たな技術を提唱する学術的な連携組織(学会)を設立し、その学問体系を確立しつつ現代社会に問題提起する。このため文理融合型、かつ市民科学を包摂する「風土再生」学会を設立する。

 

以上

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